将来の介護報酬減額に備えて(大谷豪)
平成26年介護事業経営実態調査 結果発表
みなさま、いつもお世話になります。
熊本市の大谷行政書士事務所の大谷豪でございます。
10月も後半に入り、日中の気温の差が大きくなってきましたね。風邪などひかれないよう、体調管理にはお気を付けください。
さて、今回は既に介護事業をなさっている方だけでなく、これから介護事業にトライしようとお考えの方にとっても注目すべき調査結果についてお伝えしようと思います。
その調査とは厚生労働省が平成26年4月に行った「平成26年介護事業経営実態調査」です。この調査は、介護報酬が各介護サービスの平均費用を勘案して設定することとなっているため、各介護サービスについての費用等についての実態を明らかにし、今後の介護報酬設定のための資料を得る目的で実施されたものです。何を隠そうこの調査、その結果いかんで介護報酬が上げるのか下げるのかが決まる結構重要なものなのです。
実際の資料は下記URLに掲載されています。これより下の記事をご覧いただく場合は資料を参照しながらのほうがよりよいかと思います。前回の調査結果(平成23年)も一緒に掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000060204.html
収支差率に注目
さて、この調査資料の中に、「収支差率」というキーワードが出てきます。これは介護事業所の経営の重要な指標です。どのような計算で算出されるのかというと、
(収入―費用)/収入×100%=収支差率
という計算式で出てきます。数字が大きいほど利益が出ている、つまり儲かっているということになります。
各サービスごとの収支差率を見てみますと、10%を超えているのが、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)11.2%、通所介護(デイサービス)10.6%、特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)12.2%の3サービスです。デイサービスは前回数値よりも1ポイント下がっていますが、残りの2つは前回よりも上がっています。逆に、収支差率がマイナスのサービスもあります。居宅介護支援(ケアマネ事業所)です。こちらはマイナス1.0%で赤字になっています。
介護報酬が下がる可能性があるサービス
上で書いた3つのサービス以外はほとんど収支差率が1ケタです。国の予算を握っている財務省はこの点に注目しています。つまり、収支差率が10%を超えるサービスはまだ経営に余力があるだろうということで、収支差率1ケタになるまで報酬額を下げようという圧力をかけてくると思われます。社会保障費が年々増大しているのでこれもしかたがないことかもしれません。
ただ、実際に介護事業所を経営されている方からは、収支差率だけでは実際の経営状況を表せないとか、数値の出し方にカラクリがあるといういう意見も多数ありますことはご紹介しておきます。
今後一層の経営努力が必要に
介護報酬が下向きに改定されるのが予想される中、介護事業所の経営者にはより一層の経営努力が求められると思います。マーケティングの世界では、
売上=顧客数×単価×購入頻度
という公式があります。介護事業も社会福祉法人でもない限り、営利法人が運営していると思います。当然マーケティングのことを頭に入れておかなければなりません。単価が下がるのであれば、利用者の数を伸ばすか利用回数を増やすか(これも限度がありますが)をしないといけません。利用者の数を伸ばすため、居宅介護支援事業所を併設するという手法もあるかもしれませんね(度を越すと特定事業所集中減算というペナルティのようなものがありますのでご注意を)。
全国的にチェーン展開する大手企業も増えており、今後ますます競争が激しくなります。みなさまも今一度マーケティングについて考えられてみてはいかがでしょうか。
私も現在勉強しています。
結構むずかしいです・・・
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この記事を書いた人
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