介護に誇りと、憧れを(斉藤正行)
ご挨拶
介護起業ガイドの開設にあたり、今回より「介護に誇りと、憧れを」と題したコラムを記載させて頂きます。私は、介護業界に身をおき10年近くが経ちますが、こんなにも「やりがいがあって、素晴らしい仕事は無い」と思っているほど、介護の仕事を誇りに思っています。
しかしながら、介護で働く私達に対する世間の目は、異なります。私自身が何度も経験したことですが、知人に「介護の仕事をしている」ということを伝えると、十中八九返ってくる言葉は「大変ですね。」「えらいですね。」「私には出来ない仕事です。」悪意があるわけではないでしょうが、同情の目を向けられることがほとんどです。
世間では介護は一段地位の低い仕事、「きつい」「汚い」「給与が安い」いわゆる3Kの仕事であると見られています。そして、残念なことではありますが、介護で働く私達も、このような世間の目に慣れてしまい、誇りを持って仕事が出来ないでいる人達も少なからず存在するのです。
もちろん、決して介護の仕事は楽ではありません。辛いことも多く存在します。介護職に限定すれば、給与が安いことも間違いありません。しかしながら、その辛さ以上に、楽しく、やりがいがあることも、また間違いないのです。給与についても、異なる角度から見れば、将来には大きなリターンを得ることも可能な仕事であるとさえ思っています。
日本介護ベンチャー協会の活動目的
このような世間と業界内の「介護という仕事」に対する見方を転換させるため「介護に誇りと、憧れを」実現するために、私は、平成22年10月、一般社団法人日本介護ベンチャー協会を設立致しました。同協会の活動目的は以下の5つ、
①介護事業、介護職の魅力を世の中に伝え、多くの優秀な若者が、介護事業を起業する際の選択肢とすること、又は、介護を生涯続ける魅力ある仕事と選んでもらう仕組みを創りあげること。
②介護の仕事は、「辛く、大変だけれども、やりがいがあり、楽しい仕事」であります。昨今の「仕事はラクして儲ける」という風潮に対するアンチテーゼとして、新たなワークスタイルを世に提示すること。
③介護業界を、サービス競争原理が働く健全な産業へと育成し、国民が安心した老後を過ごせるように、業界のサービスレベルの質向上に寄与すること。
④介護業界を健全な産業へと育成する過程において、日本国の産業の発展、経済の活性化に寄与する起爆剤となること。
⑤世界1の高齢社会へと突入する日本国において、介護業界を健全な産業へと育成する過程において、日本から数年、数十年単位で遅れて、高齢社会を迎える世界各国に対し、日本人の精神を活かした介護産業を世界に輸出できる産業へと確立することへ寄与すること。
本コラムでは、同協会の理念、活動目的、具体的活動事例の報告を通じ、いかにして「介護に誇りと、憧れを」実現するのか。また、なぜ実現しなければならないのか。その想いを綴らせてもらいます。皆様とともに、介護業界の明るい未来を切り開いていきたいと思っております。どうぞ、これからよろしくお願いします。

